身寄りがない人が亡くなったら財産はどうなる?

「家族もいないし、自分が死んだ後のことなんてどうでもいい」
そんな風に思っていませんか?
実は、相続人がいないまま亡くなった場合、あなたの財産は一定の法的手続きを経て、最終的には国のものになります。
現代では、「おひとりさま」で生涯を終える方も増えており、誰もが直面しうる身近なテーマです。
今回は、身寄りのない方が亡くなったときの財産の行方。また後悔しないための備えについて詳しく解説します。
目次
1. 相続人がいないと、財産は最終的に国庫に帰属する
相続人がいない場合、遺された財産は最終的に国庫(こっこ)=国の財産になります。これは民法第959条で定められたルールです。
しかし、亡くなった瞬間に財産がすぐに国に引き渡されるわけではありません。
いくつかの手続きを経て、最終的に処理されていきます。
2. まずは「相続人がいるか」の徹底調査から始まる
「本当に身寄りがないか」は、戸籍をたどって徹底的に調査されます。
戸籍制度がある日本では、出生から死亡までの履歴をたどれば、血縁関係のある親族が見つかる場合もあります。
しかし、高齢になってくると、兄弟姉妹やいとこなどが既に亡くなっていたり、連絡先が分からないケースも多々あります。
それでも、家庭裁判所は徹底的に親族を探します。
3. 相続人が見つからなければ、「相続財産管理人」が登場
調査の結果、相続人が一人も見つからなかった場合、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任します。
この役割には通常、法律の専門家である弁護士が就任します。
相続財産管理人の役割
- 故人の遺産の調査・整理
- 故人に借金や未払いがあれば清算
- 家財や不動産などの資産の売却・管理
- 最終的な残余財産の処分
この手続きは半年~1年以上かかることもあります。
4. 官報で「関係者の名乗り出」を6か月間呼びかける
相続財産管理人が選ばれると、次に官報(かんぽう)で公告(こうこく)を行います。
この公告の目的は、以下のような人々に対して名乗り出てもらうためです。
- 故人にお金を貸していた人(債権者)
- 遺産を受け取る可能性のある親族
- 何らかの権利主張ができる人
この期間は最低6か月間。ここで誰からも申し出がなければ、残された財産は国に帰属することになります。
5. 故人の思いを生かす「遺贈」や「寄付」という選択肢も
例えば、事前に「この団体に寄付したい」「お世話になった人に財産を渡したい」と思っていたとしても、遺言書がなければ希望は反映されません。
そんなときに重要になるのが遺言書の作成や遺贈契約です。
▷ 遺言書(自筆/公正証書)
・自筆証書遺言:紙とペンで自分で書く形式。2020年から法務局での保管制度もスタート 法務省(直筆遺言書保管制度)
・公正証書遺言:公証役場で作成。より確実に効力を発揮できる
▷ 遺贈・寄付の例
- 地元のNPOに全財産を寄付
- 動物保護団体への遺贈
- 故人が支援していた団体や福祉施設に一部を寄付
6. 死後事務委任契約で、亡くなった後の手続きを代行してもらう
財産の処理だけでなく、亡くなった後の事務手続き――たとえば火葬や納骨、家の片付けなども重要です。
「死後事務委任契約」は、生前に信頼できる人と契約を結び、死後に必要な事務を代行してもらえる制度です。これにより、身寄りがない人でも安心して最期を迎えられます。
7. 生前にできる準備・3つのステップ
誰かに迷惑をかけたくない、でも最期は自分らしく迎えたい——
そう思う方におすすめしたいのが、次の3つの生前準備です。
① 財産目録をつくる
・銀行口座、保険、不動産などを書き出す
・おおよその金額と所在を明確に
② 終活ノートやエンディングノートの活用
・医療・介護の希望
・ペットの世話の依頼
・大切にしていたものの処分方法
③ 専門家への相談
・司法書士、行政書士、弁護士
・地域包括支援センターなどの無料相談も有効
8. 【まとめ】「無縁遺産」にしないために、今できる備えを
誰にも知られずに亡くなり、財産が国に渡っていく――
それもひとつの生き方ではありますが、自分の生きた証を誰かに活かしてもらう選択もできます。
大切なのは、「元気なうちに」「誰に相談するか」「何を伝えておきたいか」です。
“おひとりさま終活”が当たり前の時代だからこそ、「自分の意思を残す手段」を選ぶ人が増えています。
コクヨ KOKUYO遺言書キット 遺言書虎の巻ブック付き 4901480246710 [M便 1/3] 価格:2178円 |


