要介護1~5の違いとは?状態・利用限度額・受けられるサービスを一覧比較【2026年版】

上伊那の介護・暮らしの基礎知識

要介護1~5の違いとは?
状態・利用限度額・受けられるサービスを一覧で解説

数字だけでは分かりにくい要介護度。5つの区分を横に並べて、「何が違うのか」「暮らしの中で何を考えればよいか」を分かりやすく整理します。

まず知っておきたい要介護度の考え方

「要介護1と2は、何が違うの?」 「歩けなくなったら要介護3になる?」 「要介護度が一つ上がると、受けられるサービスも変わる?」

介護認定の結果を受け取っても、数字だけでは本人の状態や今後必要になる支援が分かりにくいものです。

ただし、要介護1~5の違いは、病気の重さや「できないことの数」だけで決まるものではありません。大きな基準になるのは、食事、排泄、入浴、移動、認知症への対応などに、どの程度の「介護の手間」が必要かという点です。

そこでこの記事では、5つの区分を横並びで比較します。さらに、1区分ごとの違い、介護保険サービスの利用限度額、認定された区分と実際の状態が合わないと感じたときの対応も解説します。

要介護1~5の違いを一覧で比較

まず、数字が大きくなるほど必要な介護の手間が多いことを押さえておきましょう。ここでは、5つの区分を横に並べて確認します。

気になる数字を選ぶと、それぞれの状態、利用できるサービス、在宅介護や施設選びを解説した個別記事へ移動できます。

状態の例と利用限度額をまとめて確認

区分見られることがある状態の例支援を考えたい場面1か月の利用限度額の目安
要介護1立ち上がりや歩行が不安定で、入浴や排泄など一部の動作に手助けが必要掃除、買い物、入浴、通院、服薬確認、見守り167,650円
16,765単位
要介護2移動や着替え、排泄、入浴など、複数の場面で介助が必要訪問介護、デイサービス、福祉用具、家族の負担軽減197,050円
19,705単位
要介護3日常生活の多くで介助が必要になり、認知症への対応が増える場合もある排泄・入浴・移動介助、夜間対応、ショートステイ、施設検討270,480円
27,048単位
要介護4食事、排泄、入浴、移動などで全面的な介助が必要になることが多い頻回な訪問介護、福祉用具、訪問看護、介護者の休息確保309,380円
30,938単位
要介護5生活全般で継続的な介助が必要になり、寝たきりや意思疎通が難しい場合もある常時介護、医療との連携、褥瘡予防、栄養管理、看取りへの備え362,170円
36,217単位

比較表を見るときの注意点

大切な注意点
なお、表にある状態は一般的な例であり、要介護度を決める直接の判定表ではありません。同じ状態に見えても、認知症の症状、介助の頻度、本人が自分で行える範囲などによって判定は異なります。
また、利用限度額は、介護保険が適用される主な居宅サービスを組み合わせて利用できる1か月当たりの上限の目安です。実際の金額は地域区分、サービスの種類、各種加算などで変わります。さらに、すべてのサービスがこの限度額に含まれるわけではありません。

要介護度は「病気の重さ」ではなく「介護の手間」で判定

厚生労働省は、要介護認定について「どのくらい介護サービスを行う必要があるか」を判断するものと説明しています。そのため、病気が重いことと要介護度が高いことは、必ずしも一致しません。

自宅で要介護認定の訪問調査を受ける高齢女性と家族
認定調査では、普段の生活で必要な介助や家族が行っている支援を具体的に伝えることが大切です。
歩ける・歩けないだけでは決まりません たとえば、身体は比較的動かせても、認知症による徘徊や昼夜逆転などへの対応が頻繁に必要な人は、介護の手間が大きくなることがあります。一方で、歩行が難しいという一点だけで要介護3などの区分が決まるわけでもありません。

認定は、認定調査をもとにした一次判定と、主治医意見書や調査時の特記事項を加味する介護認定審査会の二次判定によって決まります。

制度上の区分を分ける「要介護認定等基準時間」

要介護認定では「要介護認定等基準時間」という指標が使われます。これは、家庭で実際に介護した時間をそのまま計測するものではなく、認定調査の結果から介護に必要な手間を統計的に推計した時間です。

区分要介護認定等基準時間
要介護132分以上50分未満
要介護250分以上70分未満
要介護370分以上90分未満
要介護490分以上110分未満
要介護5110分以上

ただし、基準時間だけで区分が確定するわけではありません。認知症の状態、主治医意見書、認定調査の特記事項なども総合的に審査されます。つまり、「この動作ができないから必ず要介護3」という単純な決まりではありません。

1区分ごとの違いはどこに表れる?

具体的には、区分が一つ上がるとき、介助が必要な動作の種類だけでなく、介助する頻度や一日の中で対応する時間が増えていることがあります。

要介護1から3までに見られる変化

要介護1
→ 2

初めの区分では、自分でできることが比較的多く残っている場合があります。一方、要介護2になると、入浴、排泄、着替え、移動など、介助が必要な場面や頻度が増える傾向があります。

そのため、家族は「声をかければできる」状態から「実際に手を添える場面が増えた」と感じることがあります。

要介護1の詳しい解説を見る 要介護2の詳しい解説を見る
要介護2
→ 3

さらに区分が上がると、日常生活の複数の場面で継続的な介助が必要になることがあります。自力での歩行や立ち上がりが難しくなったり、排泄介助や認知症への対応が増えたりするケースもあります。

また、特別養護老人ホームへの新規入所は原則として要介護3以上が対象です。ただし、要介護1・2でも、認知症、独居、家族の状況など、やむを得ない事情がある場合は特例入所が認められることがあります。

要介護3の詳しい解説を見る

要介護3から5までに見られる変化

要介護3
→ 4

この段階では本人ができる動作が残っている場合もありますが、要介護4では食事、排泄、入浴、移動など、生活の多くの場面で全面的な介助が必要になる傾向があります。

さらに夜間対応も重なる場合は、訪問介護、訪問看護、福祉用具、ショートステイなどを組み合わせ、介護する家族が休める時間を確保することも重要です。

要介護4の詳しい解説を見る
要介護4
→ 5

最も重い区分では、生活全般にわたって継続的な介助が必要になることが多くなります。たとえば、寝返りや意思疎通、口からの食事が難しい場合や、医療的な管理が必要な場合は、介護と医療の両方から支援を考えます。

ただし、要介護5だから必ず寝たきり、必ず施設入所ということではありません。本人の状態、家族の介護力、住環境、利用できるサービスによって異なります。

要介護5の詳しい解説を見る
在宅介護と介護施設の選択肢について相談する高齢夫婦
在宅介護を続けるか施設を検討するかは、要介護度だけでなく、本人の希望、家族の介護力、住環境、利用できるサービスを合わせて考えます。

同じ要介護度でも状態が違うのはなぜ?

同じ数字であっても、必要な支援内容まですべて同じになるわけではありません。たとえば、要介護2の人同士でも次のような違いがあります。

認知症への見守りが中心身体は動かせるものの、服薬や外出の見守りが必要な人
身体介助が中心認知症は目立たないものの、下肢の障害により入浴や移動の介助が必要な人
外出時の支援が中心自宅内では過ごせても、一人での買い物や通院が難しい人
夜間の介助が中心日中は家族が対応できても、夜間の排泄介助が必要な人

「要介護2だからこのサービス」と数字だけで決めず、本人が困っている場面と、家族が負担に感じている場面を具体的に整理することが大切です。

要介護度が上がると自己負担も増える?

区分が上がると、介護保険で利用できる居宅サービスの限度額が増えます。ただし、それだけで自動的に毎月の支払いが増えるわけではありません。

なぜなら、実際の自己負担額は利用したサービス量に応じて決まるからです。また、介護保険サービスの自己負担割合は、所得に応じて原則1割、一定以上の所得がある人は2割または3割です。

限度額と実際の支払いは同じではありません 限度額を超えてサービスを利用した部分は、原則として全額自己負担です。また、施設の居住費・食費、日用品代、介護保険の対象にならない生活支援などは別途負担が必要です。

認定された区分と実際の状態が合わないと感じたら

たとえば、「認定後に急に歩けなくなった」「認知症が進み、一人での生活が難しくなった」「退院後に必要な介助が増えた」といった変化がある場合は、認定の有効期間の途中でも区分変更申請ができます。

早めに相談したい変化

  • 転倒や入院をきっかけに、移動や排泄の介助が増えた
  • 食事や服薬を一人で管理できなくなった
  • 認知症による外出、昼夜逆転、火の不始末などが増えた
  • 家族が付き添う時間や夜間対応が大幅に増えた
  • 現在の利用限度額では必要なサービスを組みにくくなった

相談から見直しまでの流れ

  1. 普段の変化を整理する
    できなくなったこと、介助の回数、夜間対応などをメモします。
  2. ケアマネジャーへ相談する
    現在のサービス内容と、今後必要な支援を一緒に確認します。
  3. 必要に応じて区分変更を申請する
    市町村の介護保険窓口へ申請し、改めて認定調査を受けます。
認定調査では、調査当日だけ偶然できたことではなく、普段どのくらいの頻度で、どのような介助をしているかを具体的に伝えることが重要です。家族が行っている介助や困りごとを事前にメモしておくと説明しやすくなります。

介護保険だけでは補いにくい困りごともあります

介護保険サービスは、本人の自立支援や日常生活に必要な介護を目的として提供されます。そのため、希望する支援のすべてが介護保険の対象になるとは限りません。

具体的には、通院時の長時間の付き添い、買い物への同行、行政・郵便局での手続き、入退院時の付き添いなどです。本人の状況や地域の運用、サービス内容によっては、介護保険だけで対応しにくい場合があります。

その場合は、ケアマネジャーに相談したうえで、地域の生活支援サービスや介護保険外サービスを組み合わせる方法があります。

要介護1~5についてよくある質問

要介護度は年齢で決まりますか?

年齢だけでは決まりません。本人の心身の状態と、日常生活で必要になる介護の手間をもとに判定されます。

歩ける人でも要介護3になることはありますか?

あります。身体が比較的動かせても、認知症の症状への対応などで多くの介護の手間が必要な場合があります。反対に、歩行が難しいという一点だけで要介護3に決まるわけでもありません。

一つ上がると、受けられるサービスの種類も変わりますか?

利用できる居宅サービスの種類がすべて入れ替わるわけではありませんが、1か月に利用できる介護保険サービスの限度額が増えます。また、福祉用具貸与や施設入所など、一部には要介護度による条件があります。

要介護1・2では特別養護老人ホームに入れませんか?

新規入所は原則として要介護3以上です。ただし、重い認知症、虐待のおそれ、独居や家族からの支援が難しいなど、やむを得ない事情がある場合は、要介護1・2でも特例入所が認められることがあります。

認定結果が軽すぎると感じたら変更できますか?

心身の状態が変わった場合は、有効期間の途中でも区分変更申請ができます。まずは担当ケアマネジャーまたは市町村の介護保険窓口へ相談してください。

まとめ|数字だけでなく、実際の困りごとを整理しましょう

要介護1~5は、数字が大きくなるほど必要な介護の手間が多くなる区分です。しかし、同じ要介護度でも、身体状態、認知症の症状、家族構成、住環境によって困りごとは異なります。

そのため、数字だけで判断せず、「本人ができなくなったこと」「家族が手伝っていること」「今後不安なこと」を具体的に整理しましょう。必要な介護保険サービスや生活支援につなげることが大切です。

この記事の著者

一般社団法人あいえんロゴ
一般社団法人あいえん
長野県上伊那郡を中心に、終活・身元保証・葬送支援を行っています。
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