【介護福祉士監修】「介護」と「介助」の違いとは?

高齢の女性への介護と介助

【はじめに】

「介護」と「介助」、どちらも高齢者や障がいを持つ方の生活を支える大切な行為ですが、その意味や使い方に違いがあるのをご存知でしょうか?

介護現場で働く方や、ご家族のケアをされている方の中でも、「なんとなく使っているけど違いはよくわからない」という声をよく耳にします。

この記事では、介護福祉士の視点から、「介護」と「介助」の違いについて分かりやすく解説します。実際の現場での使い分けや、ケアマネジャーやヘルパーがどのように意識しているかも紹介します。



1. 「介護」と「介助」の基本的な意味

● 介護とは?

「介護」は、生活全体を支える行為を指します。食事、排泄、入浴、移動だけでなく、精神的なケアや見守り、医療との連携なども含まれます。

例:

  • 認知症の方への声かけと見守り
  • 日々の健康管理と通院サポート
  • 生活全体のサポートや計画的な支援

● 介助とは?

「介助」は、具体的な動作のサポートを指します。身体的な動作の補助や、手伝いが中心です。

例えば

  • 車いすの移動補助
  • トイレへの誘導と排泄の補助
  • 入浴時の洗髪や背中洗いの手伝い

ポイント:「介護」が生活全体の支援であるのに対し、「介助」はその中の一部である具体的な動作の補助です。


2. 実際の現場ではどう使い分ける?

現場のプロは、自然に使い分けています。

シチュエーション用語の使い方
ケアプランの説明中「介護サービス」
ヘルパーが動作を補助する時「入浴介助」「食事介助」
全体の支援方針を話す時「介護方針」「介護計画」

3. 介護保険制度での使われ方

介護保険制度では「介護度(要介護1~5)」という用語が用いられていますが、サービス内容としては「身体介助」「生活援助」など、“介助”という言葉も明確に使われています

例えば

  • 訪問介護のサービス区分 → 「身体介護」「生活援助」
  • ケアマネのプランでは → 「介護の全体像」を記載

4. 家族が知っておきたい「介護」と「介助」の違い

家族が介護を担うとき、介護疲れや負担の軽減のためにも、「介助」だけを専門職に頼むことも大切です。

例:

  • 食事や入浴の「介助」だけ訪問ヘルパーに依頼
  • 家族は見守りや声かけ(精神的な「介護」)に専念

💡 専門職との連携で負担を分散することが、長く続けるコツです。


5. よくある質問(FAQ)

介助者は動作の手助けをする人(主にヘルパーなど)、介護者は日常生活の全体的な支援を行う人(家族も含む)です。

どちらも含まれます。具体的な手伝い(介助)をしつつ、生活全体の支え(介護)も担っているといえるでしょう。


6. まとめ

比較項目介護介助
意味生活全体の支援特定の動作の補助
対象身体・精神・環境など多面的身体的な動作が中心
使用場面介護計画・福祉全般介助行為・具体的動作支援

「介護」と「介助」は、混同されやすい言葉ですが、意味を正しく理解することで、支援の質も向上します。

専門職と家族が連携しながら、役割を上手に分担していくことが大切です。

この記事の著者

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一般社団法人あいえん
長野県上伊那郡を中心に、終活・身元保証・葬送支援を行っています。
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上伊那(伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村、駒ヶ根市、宮田村、飯島町、中川村)のエリアで終活等シニアサポートを行っています。

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