フレイル?ロコモ?サルコペニア?実はそれぞれ違うんです。

フレイル予防

介護施設で働いていると、「あの方、最近フレイルっぽいよね」「サルコペニアが進んでるかも」なんて言葉、会話の中で自然と飛び交うことがありますよね。

何となく意味はわかるし、伝わってる。

でも、改めて「じゃあ、それぞれの違いって何?」と聞かれると。。。言葉に詰まったりしませんか?

今回は、この3つのキーワード——フレイル(Frailty)ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome)、サルコペニア(Sarcopenia)について、介護の現場で役立つように、わかりやすく整理してみました。


サルコペニア(Sarcopenia)とは?

筋肉の“減少と衰え”が中心

サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量が減少し、それに伴って筋力や身体機能が低下していく状態を指します。

たとえば:

  • 以前より歩くスピードが遅くなった
  • 段差につまずきやすくなった
  • 買い物袋を持つのがつらくなった

これらは、筋力の低下が日常生活に影響を与えているサインかもしれません。筋肉が減ると転倒のリスクも高まるため、早めの対策(栄養と運動の見直し)が非常に重要です。


ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?

“運動器全体”のトラブルに注目

ロコモとは、筋肉だけでなく、骨や関節、神経といった「運動器」全体の機能低下によって、移動する力(移動能力)が弱くなる状態を言います。

よくある症状:

  • 膝や腰の痛みで歩くのが億劫に
  • 立ち上がり動作に時間がかかる
  • バランス感覚が鈍くなり、転びやすくなる

サルコペニアが「筋肉」に特化しているのに対し、ロコモはより包括的な視点で“移動に関わるすべての器官の衰え”をカバーしています。


フレイル(Frailty)とは?

“心も体も、そして社会的にも” 弱くなる状態

フレイルは、身体の虚弱状態にとどまらず、精神的な落ち込みや、社会的な孤立なども含む、より総合的な“老いのサイン”といえます。

特徴的なポイント:

  • 疲れやすくなった
  • 体重が減ってきた(無意識のうちに)
  • 人付き合いが減り、閉じこもりがち
  • 何となく意欲がなくなってきた

フレイルは、サルコペニアやロコモを含む“より広い概念”です。身体だけでなく、心や社会とのつながりにも目を向けて支援していく必要があります。


それぞれの違いと関係性

用語主な焦点キーワード
サルコペニア筋肉量と筋力の低下筋肉、筋力、転倒、運動、栄養
ロコモ運動器の機能障害骨、関節、神経、バランス、移動
フレイル心身と社会的虚弱疲労、意欲低下、体重減少、孤立

この3つは独立したものではなく、密接に関係し合っています

たとえば:

  • 筋肉が減ってサルコペニアになる
  • それが原因で動くのが大変になりロコモになる
  • さらに外出も減り、人と会わなくなってフレイルになる

という“負の連鎖”が起きることもあります。


まとめ|介護現場で意識したい「予防の視点」

介護の現場では、「何かがおかしい」と感じたとき、それがサルコペニアの初期サインかもしれません。そして、そこに早く気づいて適切な声かけや支援ができれば、ロコモやフレイルへの進行を防ぐことができます。

  • 食事内容を見直す(たんぱく質が足りてる?)
  • 体操や簡単な運動を日課に
  • 声をかけて社会とのつながりをキープ

こうした小さな積み重ねが、利用者さんの「自立した生活」を支える大きな力になります。


おわりに

介護に関わる私たちにとって、「サルコペニア」「ロコモ」「フレイル」の違いを知ることは、より質の高いケアを提供する第一歩です。

「最近ちょっと歩くのが遅くなったな…」
そんな小さな変化に、ぜひ敏感でいてください。

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