子育てと介護のダブルケア|親と子の狭間で悩むあなたへ
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こんにちは。今日は、私自身の経験を交えながら「子育てと親の介護の両立」についてお話ししたいと思います。
目次
子育ても介護も「待ったなし」
私はすでに親の介護、そして葬儀を終えています。子育ても二人の娘はすでに結婚して現在は主人と二人暮らしをしています。当時は、子どもを育てながら仕事をし、両親の生活の一部をサポートしてきました。
どちらも相手がいることなので、自分のペースで進められるものではありません。子どもの学校行事や習い事の送迎、親の病院付き添いや手続き……気がつくと毎日が目まぐるしく過ぎていきました。その頃の自分は目の前の事で精一杯でした。
今思えば、もっと頼れることがあったんだ。もしかしたら、今も、私の時のように自分だけで苦しんでいる人が他にもいるんではないかと思いました。
介護と子育て 両立のために意識してみること
1. 完璧を求めない
娘が二人成人し、すでに嫁いでいる今だからこそ振り返れることがあります。当時の私は、子育てをしながら両親の介護や生活のサポートを同時に行っていました。子どもの学校行事や習い事の送迎、親の病院の付き添いや役所での手続き……どれも相手の予定や状況に合わせざるを得ず、自分のペースで進められるものではありませんでした。
その中で「すべてを完璧にこなさなければ。」と思い込み、気がつけば心身が疲れ果てていたのです。ある日、娘に「お母さん、今日はコンビニのお弁当でいいよ」と言われた時、ハッとしました。完璧でなくても家族は受け止めてくれるのです。それ以来、無理のない範囲で手作りしつつ、疲れた日はお惣菜や外食に頼るようになりました。
完璧を目指すのではなく、“できる範囲でベストを尽くす”と考えることで気持ちがぐっと楽になりました。
2. 周囲の協力を得る
両立の日々を振り返ると、最初の私は「自分が頑張れば何とかなる。」と思い込み、全てを背負い込んでいました。しかし限界はすぐに訪れ、体調を崩して寝込んでしまったこともあります。
その時に夫が代わりに親を病院へ連れて行ってくれ、「もっと頼っていいんだ」と気づきました。以降は家族や親戚、近所の友人に少しずつお願いするようになり、心が軽くなったのを覚えています。
また、地域包括支援センターに相談しました。。
デイサービスや訪問介護を取り入れることで、介護の負担は大きく減りました。人に頼ることは決して申し訳ないことではなく、家族を守るための大切な手段。協力を得ることで家族全体が笑顔でいられることを、私は身をもって体験しました。
3. 自分の時間を大切にする
子育ても介護も短期間で終わるものではなく、長期戦です。だからこそ自分自身の時間を持つことが何より大切だと感じます。当時は「自分のことを優先するなんて!」と思っていましたが、心が疲れてしまうと子どもにも親にも優しくできません。
そこで、ほんの10分でも自分のために時間を使うようにしました。夜寝る前に好きな本を読む、朝のコーヒーを静かに楽しむ、時には友人にLINEで気持ちを吐き出す。そんな小さな習慣が大きな心の支えになったのです。自分をいたわることで気持ちに余裕が生まれました。結果的に子どもや親にも穏やかに接することができました。
今思えば、自分の時間を確保することは決してわがままではなく、むしろ家族のために必要なことだったのだと思います。
未来を考えて
子育てと介護を同時に経験することは大変ですが、その分、家族との時間の大切さを実感する日々です。また、介護を通じて「自分の老後はどうしたいか」を考えるようになりました。子どもには「支え合うことの大切さ」を伝えられている気がします。
親の介護や終活の準備、どう進める?
親の介護や終活の準備について、親が元気なうちからできること。いざという時にスムーズに進められるように出来るだけ準備を整えていきましょう。
準備を整えておくことで、家族の心の負担を減らし、より安心して介護や老後を迎えられる環境をつくることができます。

親の介護の準備
1. 事前の情報収集をする
親の介護は、突然始まることも少なくありません。いざその時になって慌てないためには、前もって情報を集めておくことがとても大切です。
例えば、介護保険の申請方法や利用できる行政の支援制度、地域包括支援センターの役割などを理解しておくと安心です。また、地域にどんな介護サービスや施設があるのかを調べておくと、必要になったときにスムーズに利用できます。(地域包括支援センターとは?)
パンフレットを取り寄せたり、説明会に参加することです。実際のサービス内容や費用感も具体的に把握できるのでおすすめです。情報を知っているかどうかで、介護に直面した時の安心感が大きく変わります。
2. 家族と話し合う
介護は一人で抱え込むのではなく、家族全体で支え合うことが大切です。親の希望を事前に聞いておくことで、「自宅で過ごしたいのか?」「施設に入ることも考えているのか?」など、本人の意向を尊重した介護ができます。
また、兄弟姉妹がいる場合は、それぞれの役割分担を早めに決めておくと、後々のトラブルや負担の偏りを防ぐことができます。
例えば「病院への付き添いは長女」「金銭的な管理は長男」など具体的に決めておくと、いざという時にスムーズです。さらに、家族だけで解決できないことは、地域包括やケアマネジャーに相談するという選択肢も持っておくと良いでしょう。
3. 住環境を整える
親が自宅でできるだけ安全に暮らせるよう、住まいの環境を見直すことも重要です。
例えば、転倒防止のために段差をなくす、廊下やトイレに手すりを設置する。家具の配置を工夫して通路を広く取るなど、ちょっとした工夫で大きな安心につながります。また、将来的に介護ベッドや福祉用具を導入する可能性を考えて、部屋のスペースを確保しておくことも必要です。小さな改修であっても、介護保険の住宅改修制度を利用できる場合がありますので、費用面でも確認しておきましょう。
暮らしやすい環境づくりは、親の安心だけでなく介護を担う側の負担軽減にもつながります。
4. 介護費用の準備
介護には予想以上にお金がかかることがあります。
例えば、介護サービスの利用料、施設への入居費用、医療費、さらには日常生活で必要となる物品の購入費用などが積み重なっていきます。そのため、公的な介護保険や医療保険を最大限に活用しつつ、不足分をどう補うかをあらかじめ考えておくことが重要です。家計の中で介護に回せる資金を確認したり、場合によっては親の年金や貯蓄をどう使うかを話し合っておくと安心です。
さらに、長期的な介護を想定して資金計画を立てておくと、急な出費に慌てずに済みます。必要に応じてファイナンシャルプランナーに相談するのも有効です。金銭的な不安を軽減しておくことは、介護を続ける上で大きな安心材料となります。(ファイナンシャルプランナーとは?日本FP協会)
介護が必要になった際に慌てないよう、行政の支援制度や介護保険の仕組みを事前に調べておきましょう。そこで地域の介護サービスや施設の情報も集めておくと安心です。

終活の準備
1. エンディングノートを活用する
終活の第一歩として、多くの人が取り入れているのが「エンディングノート」です。
エンディングノートとは、自分の人生の振り返りや希望を記録しておくノートのことです。医療や介護の希望、葬儀やお墓のこと、遺産の分け方など幅広い項目をまとめることができます。親が元気なうちに一緒に取り組んでおくと、いざという時に家族が迷わず対応できる大きな助けとなります。
例えば、「延命治療は望むか?」「葬儀は家族葬にしてほしい」「大切にしてきた品物は誰に譲りたいか?」といった細かな意向まで書き残せるため、残された家族の心の負担を大きく減らすことができます。紙のノートだけでなく、最近はデジタル版のエンディングノートもあります。自分に合った方法で準備を始めるのが良いでしょう。
2. 財産や相続の確認
財産や相続の問題は、家族間でトラブルになりやすい大きなテーマです。
預貯金や不動産、有価証券、生命保険などの資産を整理し、一覧にまとめておくことが重要です。また、借入や負債がある場合も含めて把握しておくと安心です。相続に関する話し合いを家族と事前に行うことで、将来的な誤解や争いを防ぐことができます。
必要に応じて、弁護士や司法書士、税理士など専門家に相談するのも有効です。専門家のアドバイスを受けながら遺言書を作成することで、親の意思をしっかりと形に残し、家族間の関係を守ることにもつながります。
3. 必要な手続きを確認する
親が亡くなった際には、多くの手続きが必要となります。
例えば、死亡届の提出、年金の停止手続き、保険金の請求、銀行口座の解約や名義変更など、多岐にわたる作業があります。事前にどのような手続きが必要かをリストアップし、必要な書類(戸籍謄本、印鑑証明、保険証券など)を確認・整理しておくと、慌てずに済みます。役所での手続きや金融機関での対応は期限が決められていることも多いため、あらかじめ準備をしておくことで大きな安心につながります。
さらに、エンディングノートに「必要な手続きリスト」を書き込んでおくと、家族にとって分かりやすくなり、スムーズに対応できるでしょう。

まとめ
親の介護や終活の準備は、決して避けて通れないテーマです。
しかし、早めに取り組むことで家族全員が安心して暮らすことができます。私自身、子育てと親の介護を同時に経験し、当時は目の前のことをこなすだけで精一杯でした。今振り返ると、「もっと早く家族で話し合い、協力できる仕組みを整えておけばよかった」と感じています。
親が元気なうちに希望を聞き、介護や医療、葬儀、相続などについて情報を共有しておくことは、残された家族の負担を大きく減らします。また、エンディングノートや財産整理、住環境の見直しといった準備を進めておけば、いざという時にも慌てずに対応できます。
さらに、周囲の協力を得たり、自分の時間を大切にしたりすることも、長期的に両立を続けるための大切な要素です。
「介護や終活の準備は重いテーマ」と思われるかもしれませんが、それは家族の未来を守るための前向きな行動でもあります。小さな一歩でもいいので、できることから始めてみることが、安心と心の余裕につながります。
皆さんの経験やアイデアも、ぜひシェアしてくださいね。


